看護師の退職はたいへん

仕事を退職するのはとても大変です。
上司への報告、仕事の引継ぎ、退職のあいさつ、転職活動。

しかし看護師は一般の職業以上に退職するのが大変です。
なぜならどの病院も看護師が足りず「今あなたに辞められたら誰が患者さんの面倒を見るの!?」っと、なかなか退職させてもらえません。
また退職を伝えてから3ヶ月以内には辞められないと言った就業規則がある病院もあります。
酷いところになれば半年、1年以内の退職を禁止している病院もあります。
これはあくまでも経営者と労働者間でも契約のため法律に反することではありません(労働法に接触する寸前の限りなくブラックに近いグレーですが・・)
そのため多くの病院が就業規則で看護師の早期退職を阻止しようと手を打ってきます。
ふつう就業規則なんて見ませんよね。
就職した当初は辞めるつもりなどないため、自分に不利になる条件が書いてあってもスルーしてしまう看護師は多いです。
そしてイザ退職しようとしたときに就業規則が大きな足かせとなるケースは多々あります。

このサイトでは看護師がスムーズに退職できるためのノウハウを惜しみなく披露していく予定です。

コラム(20年のベテラン看護師が学生時代、実習中の実習記録で苦労した話)

私は現在、看護師歴20年目です。
私が通っていた学校は、国立病院付属の全寮制の看護学校でした。
そこで3年在学し、卒業後は地元の病院に就職、看護師3年目以降は学生指導係や、新人ナースの指導も経験しました。

あなたが学生時代に経験した、実習について教えてください

実習中の事は、遥か昔の事なので、今の学生さんとは感覚が違うかもしれませんが、苦労した事は毎日の実習記録です。
看護学生が担当する患者さんは、病状もそこまで重症ではなく、元々学生に理解があるので、コミュニケーションに苦労するというケースは少ないです。
指導する立場からいうと、何の資格もない学生に何かトラブルを起こされたらお互い大変だし、学生の力量も考えてそうしているのだと理解できます。
それゆえ、大した問題点のない患者さんの担当をするということが結構ありました。

問題のない患者さんの担当なら苦労はしなさそうですが?

毎日の計画立案で大変苦労しました。
ケアは、ほぼ自立しており病状も安定している、直接何かできることと言えば、話し相手になることぐらいでは?としか思えない、高齢のおばあちゃんだったりすると、毎日散歩に行くことがメインになったりします。
徐々にネタ切れになって入浴が自立しているにも関わらず、足浴を入れたり、爪切りをしたりして時間を潰していました。
もちろん、どんな些細なことも貴重な経験だし、会話の中から病状に対する不安がないか、傾聴するのも看護の大事な部分です。
ただ会話するのではいけない、と思いながらも話しているうちに患者様の思い出話になり、世間話になってしまうことも多々ありました。
そんな日々でしたので、仕事らしい仕事をしているのか、自分でもわからなくなってきていたのです。

そんな状態を見て、指導係の看護師さんの反応はどうでしたか?

看護師さんには反省会で「今日一日一体何をしていたの?」と指導者に怒られていました。
患者様と仲良くなれても、そんな日の記録は何を書けばいいか本当に困りました。
そんな代わり映えのない日々でも、毎日同じような実習目標だと、指導者に突っ込まれます。
同じことをしていても、視点を変えて書いてみたり、時には実習記録を埋めるために強引に病態生理に触れたりと、
指導者がパッと見て、実習記録が埋まっているように見える、ということに重きを置いて書いたりもしていました。
その日の実習記録を評価するのも、明日の目標を考えるのも大変で、睡眠時間がどんどん減っていったのを思い出します。

これから実習に行く人へのアドバイスをお願いします

これから実習に行く人へのアドバイスとしては、実習の評価とは目標の評価であることということです。
今日あった出来事を細かく書くのではなく、「その日の実習目標の振り返ることをする」です。
当時、指導者に振り返りができていない、と言われていましたが、私は振り返りがなんなのか、わかっていなかったのだと思います。
後は、できてない部分ばかり考えず、出来なくて当たり前なのだというスタンスでいれば、落ち込むことは少ないと思います、頑張ってください。