夫婦で病院に勤める男性が毎日勉強しながら、医療事務を18年続けている話

就職活動当時、系列病院の新規移転事業に父が仕事で関わっていたことが縁で就職しました。
系列病院の事務職新卒採用を担当する本部から、求人情報を取り寄せて応募しました。

あなたが勤めている病院について教えてください

公的な中規模大規模の系列病院で勤務時間は、8:30〜17:00が定時ですが通勤に時間を要し残業も一定時間あるので、朝6:30発〜帰宅20:00前後が多いです。
また月に2回程度当直勤務があり8:30〜翌日の12:20まで勤務になります。
現在は基本的に院内待機なので仮眠は充分にとれています。
給料は、1年目の手取りは月給で17万程度、現在は残業が月20時間前後で年間所得680万ほどです。

仕事内容を教えてください

8割の事務員は保険請求関連(外来受付・計算・会計・レセプトチェック・病棟レセプトチェック・退院時の会計・未収金管理)を担当します。
私は上記を一通り経験し、その後は自賠責・労災・返戻・査定減・医事システム管理・施設基準申請などを担当しています。
また総務・経理・設備・企画などの事務職も配置されており、これらは直接レセプトなどの知識を必要としませんが医療事務ならではの専門性を必要とされます。

医者や看護師との関わりはありましたか?

はい、ありました。
部署によりますが、レセプトに携わる担当者、特に病棟担当者は現在のDPC制度にそって保険請求する上で主治医・担当看護師とは日々綿密に打ち合わせを行い、患者の主症状や今後の経過見込みについて把握することが必須です。医師や看護師は勿論他のコメディカルも皆、国家資格を有する専門職であり事務職は専門職の集合体の中で潤滑油として機能するよう努めることが大切です。

印象に残っている看護師について教えてください

初めて病棟担当(整形外科・耳鼻いんこう科)になった際、看護師長・主任・リーダークラスの3名に、とてもお世話になりました。
当事電子カルテではなくインターネットも未整備でしたので、1件1件の手術手技について方法や、使用する医療材料などについて毎日教えて頂きました。
その影響で他病棟の担当になってからも、常に現場主義で自分で見て触って確認する癖がつき、各診療科について深い知識を得られてきたと思います。

これから病院事務する人にアドバイスをお願いします

勤務する病院の規模や経営母体によって要求されるスキル・知識は大きく異なります。
事前に医療事務講座を受講することは無駄ではないものの、国家資格ではないため必須ではありません。
勉強するなら、健保の知識(協会けんぽ〜組合管掌の主保険と結核〜小児慢性などの公費保険)だけで充分です。
後は就職してからひたすら勉強です。
事務は知識だけで働けます、他職種は実技を必要とされ、一つ間違えれば医療過誤で訴えられるリスクを抱え、常に真剣勝負で働いています。
たとえ未経験で入っても、あなたが学ぶ姿勢を見せれば周囲は応えてくれます。
慣れるまでは毎日毎日集中して勉強です。
逆に、お気楽に腰掛け程度で働きたいという場合は、病院事務職は勧めません。
同業界なら、個人経営のクリニックのが向いているでしょう。